パタゴニア
読めばきっと上手くなる。。。はず?
今考える、スキーの本質 '07年1月
ガンバレ!ガンバレカービングスキーヤー '03年3月
自身の視点で考える、スキー&スノーボード 必読! '01年12月 
今考える「スキーの本質」 '07年1月

 私がレッスンで伝えていること、
「板のどこに、どのようにして乗るか」
これだけで充分だと思っています。
 私の師匠は、
「スキーはスッと立って、トンと乗るんだ!」
と言ってました。

 板の真ん中に真っすぐ乗ること、これができればあとは何も要りません。かつてはスキーの本質から外れた余計なことを教えていました。メディアからの情報に流され、間違ったことも教えていました。今にして思うと、とても恥ずかしい。それでも当時は私の精一杯だったのです。

 現在の私のスクールでは、レベルに応じてクラスを作りレッスンをしています。レベルの違う方と受講していただくことはありません。しかし実をいうとレッスン内容は、レベルに関係なく同じなのです。どんなに上手なひとでも初心者でも、その内容は変わりません。変わることといえば、生徒さんのレベルよって私が求める正確さが変わってくることくらいでしょうか。
  ひたすら「板のどこに、どのようにして乗るか」なのです。

「テクニックや技術を教えてはいけない。それを聞いた生徒さんは上達していないのに、知識を得たというだけで満足して帰っていく。そしてスキー教師も生徒さんが上達していないにもかかわらず、満足してしまう。」
これも、師匠の教えです。

 小手先だけのテクニックや技術は教えません。伝えたいのはスキーの本質!

 私も少しはスキーの本質に近づいているのでしょうか?いつでも今が、私の精一杯。静かな忍耐を持って、一生成長ですかね。

 ガンバレ!カービングスキーヤー'03年3月

 いつの間にか、細くて長い板はお店から姿を消したようです(時折、驚くような低価格でお店の隅に立て掛けてあることもありますが...)。カービングスキーしか売っていません。というより、メーカーはカービングスキーしか作っていないんですね。

 カービングスキーが普及してから、以前と比べゲレンデで眼にするスキーヤーの滑り方が随分と変わりました。ワイドスタンスで非常に低い姿勢で、膝や腰をターン内側へ倒し込みエッジを立てて滑っている人をよく見かけます。そして滑った跡には必ず綺麗な2本のラインが付く。これがいわゆるカービングターンというやつでしょうか?
 そのような滑り方をする人たちを観察していたら、いくつか特徴を発見しました。
 特徴1 コース途中でよく止まる。
 特徴2 綺麗に圧雪されたフラットなコースを好んで滑る。
 なぜそのような特徴を示すのか、私なりに考察してみました。

 特徴1 なぜコース途中でよく止まるのか?
 いわゆるカービングターンをしている人は、あまり長い距離を一気に滑ることはありません。コース途中でよく止まっているのを見かけます。振り返って自分のシュプールを確認している人もいるようですが、止まる理由はそれだけではなさそうです。
 すぐに止まってしまう理由は、すぐに疲れてしまうからではないでしょうか。そしてその原因は滑走中の姿勢にあるのでは?と私は考えています。
 いわゆるカービングターンをする人達の姿勢と対照的な姿勢で滑る人達がいます。それは小さな子供達です。彼らは身体を起こし、脚を棒のように伸ばして滑ります。誰に教わるまでもなく、なぜ子供達は皆そのように滑るのでしょうか。それは伸ばしているほうが楽だからです。大人に比べて筋力のない子供達は、滑走中の雪面抵抗に対して脚を曲げた状態で耐え続けることはできません。脚は伸ばしているほうが楽なのは大人も同じ。脚を曲げた低い姿勢を維持するのはスキーを履いていなくても辛いものです。

 特徴2 なぜ綺麗に圧雪されたコースを好んで滑るのか?
 いわゆるカービングターンをしている人は、コブ斜面や深雪といった不整地コースではあまり見かけません。なぜでしょう?
 ワイドスタンスで姿勢を低くして、膝や腰をターン内側へ倒し込んでエッジを立てて...という滑り方で不整地を滑るのは非常に困難なのです。膝や腰をターン内側へ過度に倒し込めるのは、エッジがしっかりグリップしてくれる綺麗に圧雪された斜面だからこそ可能なのです。だからエッジ全体を使って雪面を捉えられにくいコブ斜面や、雪面抵抗を受けにくい深雪といった不整地コースではそのような滑り方はとても危険です。
 
 この滑り方はすぐに疲れてしまう期間限定、そして限られたコースでしか使えない地域限定の滑り方なのではないでしょうか?
 
 この期間限定&地域限定カービングテクニックが編み出された原因は、勿論カービングスキーの普及にあります。そのおしゃもじのような形状から、たしかに膝や腰を少しでも横に傾けてあげればサイドカーブに沿って曲がりだします。しかしそのようなスキー操作は一般的ではないと私は考えています。カービングスキーになって、スキー操作が変わったかのような風潮があるようですが、私はそうは思いません。
 今までどおりの運動を前提にして、少ないパワーでより良い結果を出すために、道具は進歩しているはずです。最新の道具を使用する際に滑り方を変えてしまったら、その道具の開発者の意図とは全く違う結果が出てしまうのではないでしょうか?

 私は一日楽しく滑るために、疲れない滑りを心がけています。もう随分前ですが、あるスキースクールに入ったら私の意に反して非常に疲れる滑り方を教わりました。もっと疲れない滑り方を教えてくださいと先生にお願いしたら、スポーツなのだから疲れて当然だと言われてしまいました。 楽しみ方はひとそれぞれですね。
 以前の細くて長いスキーと比べてカービングスキーは非常に曲がりやすくなったはずなのですが、ゲレンデで見かける一部のカービングスキーヤーは、今日もなんだかとっても辛そうに滑ってます.....ガンバレ。

 自身の視点で考える、スキー&スノーボード '01年12月

 誰もがそれぞれに目標とする「お手本の滑り」が頭の中にあることでしょう。 それは映像として記憶していて、実際動きや形を真似しながら滑ることがあると思います。なかにはデモンストレーターやワールドカップレーサーのビデオを何回も巻き戻して見て、実際に動きや形を真似して滑ってみる、なんてことをしている人も多いのではないでしょうか。しかし、どうもうまくいかない。おかしいなあ、なにがお手本と違うんだろう?そんな経験はありませんか。
 うまくいかない原因のひとつは、お手本が滑っている状況(斜度、雪面状態、スピード、ターン孤etc)と実際のあなたのそれとの違いにあります。ビデオ等の映像からはその状況までなかなか読み取れません。当然状況が違えば観察される動きも違ってきます。それを考えずに見た目の動きや形をを真似してみてもうまくはいきません。
 もうひとつの原因は、あなたがお手本の滑りから観察できる動き (脚の曲げ伸ばし、内傾、捻り、角付けなど)を全てお手本自らの意志で動いている「自発的な運動」として捉えている点です。例えば、お手本の滑りに「エッジを立てる動き(角付け)」が観察できれば、実際あなたはターンするときに板のエッジを立てる運動をすることでしょう。後に説明しますが「角付け」は自発的な運動ではありません。 第三者からはそのように見えるだけで 、お手本にはそんな運動をする意識はないということです。
 滑走中に観察される動きのすべてが自発的な運動であるとはいえません。見た目の動きや形と実際の身体の内部感覚との間には大きな溝があるのです。我々は観察によってではなく、自身の視点でひとつひとつの動きを検証してみました。その幾つかを紹介します。

1、脚は「曲げ荷重」よりも「伸ばし荷重」の意識
2、自ら「内傾」する意識はない
3、「股関節からの回旋運動」「膝からの角付け」はない

1、脚は「曲げ荷重」よりも「伸ばし荷重」の意識
 スキーヤー、スノーボーダーはターンの始まりからほぼ終わりまで、一定の力で板を雪面に押さえつけようとしています。しかし雪面からの圧は刻々と変化し続けるので、これに対応する動きとして脚の曲げ伸ばしが観察できます。第三者からは自発的に脚の曲げ伸ばしをおこなっているように見えますが、実際の身体内部の意識はどうなのでしょうか。 
 次の例を考えてみてください。
 自動車をスクラップするときに使うプレス機のなかにあなたは落ちてしまいました。壁があなたを押しつぶそうとしています。あなたは脚を突っ張って、迫りくる壁を押し戻そうとします。しかし機械の力が強いため、伸ばしていた脚はだんだん曲がってきました。それでもあなたは壁を押し戻そうと頑張っています。
 このとき、あなたは一定の圧で壁を押し戻そうとしていますが、機械の力(壁の圧)が強いために脚は伸ばしきれなくなると、伸ばす筋肉を使いながらも曲がっていることになります。
 この動きが例えばターン後半には脚を曲げて荷重しているように見えるのです。第三者からは脚を曲げているように見えますが、スキーヤー、スノーボーダーの意識としては、常に脚を伸ばそうとしているのです。表面的には曲げ荷重ですが、内面的には伸ばし荷重なのです。

2、「内傾」する意識はない
 スキーヤー、スノーボーダーを見ていると、ターン毎に身体がターン内側に傾く動き(内傾)が観察できますが、自発的に内傾することはありません。
  ターンが始まるきっかけとなるのは重心移動ですが、この動きがターン内側に身体が傾く現象(内傾)として観察できるだけのことなのです。
 アルペンスキーの場合、左右均等に荷重した直滑降から片足を持ち上げてみましょう。すると重力によって自動的に身体は傾き、重心はターン内側に移動します=内傾(それに伴い角付けも自動的におこなわれますね)。そしてターンが始まります。内傾は重力がおこなってくれるものでスキーヤー、スノーボーダーが自発的におこなう運動ではないのです。

3、「股関節からの回旋運動」「膝からの角付け」はない
 ターン孤の大きさなどをコントロールするために「股関節からの回旋(捻り)運動」「膝からの角付け」といった運動をスキーヤー、スノーボーダーは自発的にしなければならないように言われていますが、そのようなことを意識しておこなうことはありません。第三者からはそのような運動をしているように見えるだけです。何故でしょうか。
 ターン後半に雪面からの強い圧に脚が耐えようとしたとき、人間の筋肉や骨格の構造から、自然に脚が股関節から捻られ(回旋運動)、膝がターン内側に入った(角付けが強まった)ように見えてしまうのです。
 自発的な運動として「股関節からの回旋運動」「膝からの角付け」はありません。雪面からの圧に耐えようとした結果見られる、身体の自然な反応に過ぎないのです。
 正しい回旋運動は板に対して垂直に伸ばした体軸を意識した身体全体によっておこなわれるものです(頭の上から串刺しになった状態をイメージしてください)。まずは自分がこれから行きたいと思う方向を「見る」ことが大切です。見ればその方向に自然と身体は向き、後から板はついてきます。

  大切なことは、見た目の動きや形ではありません。目前の斜面を滑るのはあくまであなた自身です。その斜面を滑る中でどんな外力を身体に感じ、自身はどう反応するのかということなのです。

感想をお待ちしております。
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